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「重要度は高いけれども緊急度が低い」内容の研修

昨年秋からある外資系金融会社で、数か月にわたってお手伝いしているプロジェクトが
もうすぐ終わりを迎えます。
社内で開発したプログラムをグローバルに展開していて、
私は日本でのファシリテーションを担当していました。
私が開発したプログラムではないのですが、
社内の状況・ニーズに合っていたようで、成果が出ています。
そこであれこれ考えたことをブログにしてみます。

緊急度と重要度の高低で、優先順位を整理するというのは
基本的なビジネスコンセプトの一つです。

重要度が高くて、緊急度が高いことに対応するのは当然なのですが、
重要度が高くて、緊急度が高いことだけに振り回されていると、
短いサイクルでの達成感は続くものの、
長期的な取り組みができず、本質的なことに取り組めず、
そのうち疲弊してしまいます。

ですので、忙しい毎日ではあっても、重要度は高いけれど緊急度が低いことに
意識的に時間を割いておかなければいけないのです。
例えば、問題・課題の真因追求と対策、業務プロセスの改善、
長期的、新しい視点でクリエイティビティを発揮するようなことを始める、
組織力強化、部下育成や自己研鑽、などなど・・・。

では、皆さんが研修で取り扱う課題は、どのようなものでしょうか。

重要度が高くて、緊急度が高いことに対応するために必要な内容でしょうか。
それとも
重要度は高いけれど緊急度が低いことに対応するために必要な内容でしょうか。

前者の例としては、
入社や異動などで新しく担当することになった業務について、
その業務を行うための具体的なスキルを学ぶような研修です。
例えば、営業部に入社した新入社員が、営業の基礎知識やスキルを学ぶ研修、
初めて部下を持つことになった人が、人事評価面談のスキルを学ぶ研修などです。

あるいは、業務プロセスが変更になり、そのプロセスを使用する人が、新しい方法を学ぶ、
などもこうした種類の研修です。

こうした研修は、学ぶ内容の重要度も緊急度も高いので、
学んだ内容の職場での実践率は高いのが普通でしょう。

一方で
重要度は高いけれど緊急度が低いことに対応するために必要な内容の研修を
行っている人もいらっしゃるでしょう。

例えば、業務改善についての研修、部下育成についての研修、
戦略的思考やクリエイティビティなどがテーマの研修、などなど。
(もちろん状況によりますが。)

こうした研修は、先ほどとは違い緊急度が高くないことが多いため、
学びを職場ですぐの実践に移す確率が低くなりがちです。

「良い内容だったんだけど、忙しくてなかなか実行できなくて・・・」
というよく聞くセリフですね。

研修をデザインする際には、こうした緊急度が低い内容であればあるほど、
どうすれば即実践しようと思うかを工夫してデザインに落とし込む必要があります。

知識とスキルを習得してもらうだけではなく、
感情面にも、つまり、「やろう!」と思うようなインパクトが必要なのです。

このクライアントで行ってきたプロジェクトは、まさしく、
重要度は高いけれど緊急度が低いことの実践を促すプログラムでした。
「わかっているけど、なかなか手が付けられないこと」
に着手させようというものなのです。

 

知識やスキルの提供は最小限で、
ディスカッションのテーマや問いかけが数多く用意されているプログラムでした。
参加同士で考え、話し合い、自分たちで答えを見つけていきます。
期限を決めてアクションを求めるため、実践せざるを得ません。

ある人が、
「これまでの研修は正直言って、時間のムダと感じることが多かった。
でもこのプログラムは、どんなに忙しくてもちゃんと次も出よう!という気になります。
この研修が今までで一番良かったです。」
とおっしゃっていたのが、とても印象的です。

知識やスキルを提供することばかりに焦点をあてても、必ずしも効果は出ない、
とあらためて実感しました。


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