講師養成のレジェンド「ボブ・パイク」と行動変容を促す
「参加者主体の研修手法」
1.ボブ・パイクとは? – 講師養成の世界的権威

ボブ・パイク氏は、人材開発および講師養成の分野で50年以上の経験を持つ、世界的に「レジェンド」と称される人物です。彼が創設したボブ・パイク・グループは、現在娘であるベッキー・パイク・プルース氏がCEOとして継承しています。
主な実績と称号:
- ATD(Association for Talent Development): 人材開発の世界的機関において40年以上連続で登壇し、「レジェンダリー・スピーカー」として称えられています。
- ベストセラー著者: 講師養成分野のバイブルとされる『クリエイティブ・トレーニング・テクニック・ハンドブック』は、全世界で累計20万部以上を販売しています。その他にも20冊以上の著書があります。
- 数々の受賞歴:
- 優れたスピーカーに与えられる「CSP (Certified Speaking Professional)」の称号を持ち、殿堂入りを果たしています。
- 2007年には、人材育成分野で最も影響を与えたリーダーに送られる賞を受賞しました。

ボブ・パイク氏は、弊社代表の中村文子との共著もあり(後述)、2019年を含め過去に何度も来日しています。(写真は2019年パイク氏講師歴50周年の日本での記念講演)
2. 行動変容を強力にサポートする「参加者主体の研修手法」
ボブ・パイク氏が開発した「参加者主体」の研修手法は、単に知識を伝えるだけでなく、学習者の行動変容を促し、ビジネス上の成果につなげることを最大の目的としています。
- 科学的根拠: 脳科学と心理学に基づいて設計されており、学習者の主体性を効果的に引き出します。
- グローバルスタンダード: この手法は、全世界30か国以上で30万人以上が学んでおり、その効果は広く実証されています。
- 【日本で唯一の公式プログラム】:
ボブ・パイク氏の理論と手法を体系的に学ぶことができる公式プログラムは、日本では唯一、ダイナミックヒューマンキャピタル株式会社が提供しています。 ボブ・パイク・グループがグローバルで提供する「Train-The-Trainer Boot Camp」や「Interactive Virtual Trainer」といった世界標準のプログラムを、同社が「トレーナー養成ワークショップ」や「参加者主体のオンライン研修~講師養成講座~」として独占的に展開しています。
3. 理論の紹介:参加者を巻き込むための「学習の法則」と「場づくり」

ボブ・パイク氏が提唱する「参加者主体の研修手法」の根幹をなす理論の一部を抜粋してご紹介します。集合研修の価値は、参加者が受け身で話を聞くのではなく、学びのプロセスに主体的に関わり、相互作用を生み出すことで生まれます。
学習効果を最大化する「ボブ・パイクの学習の法則」
参加者を巻き込み、主体性を引き出すために大切にしている5つの法則です。
法則1:学習者は大きな身体をした赤ちゃんである | 大人も子どもと同様に体験から多くを学びます。研修では、参加者自身の経験や知識を活用し、積み上げていくアプローチが効果的です。 |
法則2:人は自分が口にしたことは受け入れやすい | 他者から言われるよりも、自分の考えを自分の言葉で発した方が「自分事」として捉えやすくなります。参加者が自ら考え、アウトプットする場を多く設けることが重要です。 |
法則3:習得はいかに楽しく学ぶかに比例する | 「楽しい」という感情は学習意欲を高め、ポジティブな感情と結びついた情報は長期記憶に定着しやすくなります。ゲーム感覚や適度な競争を取り入れ、知的好奇心をくすぐる工夫が有効です。 |
法則4:行動が変わるまで学習したとは言えない | 研修の最終目的は、学んだことを職場で実践し、ビジネス上の成果を出すことです。研修中に具体的な活用場面を想定した練習を行い成功体験をすることや、アクションプランを検討する時間を設ける必要があります。 |
法則5:くわっ、くわっ、くわっ | 「自分が習得したことを他人に教えられるレベルになって、初めて本当に習得したと言える」という意味の、中国のことわざに由来する法則です。学んだ内容を自分の言葉でアウトプットする練習が、深い理解と記憶の定着を促します。 |
主体性を引き出すための「場づくり」
参加者が積極的に学びのプロセスに関わるためには、講師が「オープンな場」を意図的に作り出す必要があります。そのための2つの重要なキーワードが「選択の自由」と「巻き込み」です。
- 選択の自由: 大人は自分のことを自分で決めたいという欲求を持っています。研修においても、座席、ペアの相手、発表順、使用するツール、取り組む課題などを参加者自身に選んでもらう機会を設けることが有効です。これにより、参加者は「自分で選んだ」という意識を持ち、主体的に課題に取り組むようになります。
- 巻き込み: 一部の人だけが発言するのではなく、全員が学びのプロセスに関わるようにファシリテーションを行います。そのために、グループリーダーを交代制にしたり、ディスカッションの前に個人で考える時間を設けたりするなどの工夫が有効です。
4. 理論と実践を学ぶためのリソース
ボブ・パイク氏の「参加者主体の研修手法」を学び、実践するためのハンドブックシリーズが、日本能率協会マネジメントセンターより出版されています。(記載がないものは弊社代表 中村文子との共著)

書籍ラインナップ
書籍名 | 概要 |
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「講師・インストラクターハンドブック」 ~効果的な学びをつくる参加者主体の研修デザイン~ | 講師に求められるファシリテーションスキル、デリバリースキル、インストラクショナル、デザインの概要を、理論に基づいた実践事例を交えご紹介しています。 |
「研修デザインハンドブック」 ~学習効果を飛躍的に高めるインストラクショナルデザイン入門~ | 研修の企画~作成~実施に向けて、インストラクショナルデザインの8つのステップと理論をご紹介しています。 |
「研修アクティビティハンドブック」 ~参加者のモチベーションを引き出す学習テクニック~ | オープニングやクロージング、講義に代わる体験型など、研修で使えるすぐに使える50のアクティビティをご紹介しています。 |
「研修ファシリテーションハンドブック」 ~参加者が自ら学ぶ「場」のつくり方・運営の仕方~ | 研修でのファシリテーションを効果的に行うための準備(デザイン)と、研修の場でのファシリテーションのポイントをまとめた1冊です。 |
「オンライン研修ハンドブック」 ~退屈な研修が「実践的な学び」に変わる学習設計~ | オンライン研修をインタラクティブにし、効果的に行うためのノウハウをまとめています。 |
「オンライン研修アクティビティ」 ~エンゲージメントが飛躍的に高まる学習テクニック~ | ベッキー・パイク・プルース著 足立美穂 訳 中村文子 監訳。オープニング、クロージング、リビジット、など、オンライン研修ですぐに使えるアクティビティ集です。 |
「講師・インストラクター入門」 世界30カ国、12万人以上が学んだ「教える」理論をもとにしたノウハウ | 中村文子 著。「集合するからこその価値」を提供する研修・セミナーを行うための入門書です。 |
5. お問い合わせ
こちらにご紹介したボブ・パイクの「参加者主体の研修手法」は、ダイナミックヒューマンキャピタル株式会社が日本で唯一、公式プログラムとして提供しています。
ご興味をお持ちの方、国内でのプログラム受講や導入に関するご相談は、下記までお問い合わせください。
- ダイナミックヒューマンキャピタル株式会社 info@d-hc.com
- 参加者主体とは?: https://www.d-hc.com/service/trainer_development_program
- ボブ・パイク・グループ公式サイト: https://www.bobpikegroup.com/