「しくみ」の不備を「人」が補てん
先日、こんな出来事がありました。
来月のフロリダ出張の航空券を予約、その支払い期限が「4月19日23:59」。
前日にメールでリマインダーが届き、
当日4月19日の21:45くらいに、購入しなくては!と思い、HPにログイン。
ポイントでアップグレードの席がようやく取れたので、
そのチケットは絶対に買うつもりでした。
いつも利用している航空会社なので、
オンラインでの予約や購入には慣れています。
購入手続きをしようと思い、予約内容を確認。
ところが、どこを見ても、「購入する」というボタンがありません。
期限の時間が迫っているので、急いで電話しようと思ったところ、
国際線の問い合わせ窓口は、20時で終了。
国内線であれば、22時までとのこと。あと数分しかない!!
あせって国内線の窓口に電話し、事情を説明。
「申し訳ございませんが、国内線担当者からは、
国際線のデータにアクセスすることができません。」
「えっ?」
「只今の時間ですと、時差のあるロンドンでしたら、
国際線の窓口にお電話がつながります。
ロンドンのお電話番号をご案内してもよろしいですか?」
迷ってるヒマはないので、番号を聞いて、ロンドンに電話。
事情を話すと、
「ぎりぎりの時間になると、購入ボタンが出てこなくなります・・・」
「えっ?」
「こちらで購入手続きを承ることはできるのですが、
手数料が30ポンドかかってしまいます。ご了承いただけますか?」
購入期限は「23:59」と明記されています。
あと2時間くらいあります。
なのに、窓口も開いてなくて、
ウェブでも購入することができないって、おかしくないですか?
しかも、ロンドンにまで電話したら手続きはできるけど、
手数料がかかるって・・・おかしくないですか??
30ポンドっていくらだっけ、と、瞬間考えましたが、
金額の問題ではないんですよね・・・。
ということで、納得できない旨を伝えてみました。
「それでは、上の者と確認を取りますので、
少々お時間をいただけますか?
30分後くらいに折り返しお電話してもよろしいでしょうか?」
22:30ごろ電話が来ました。
「HP上に、購入ボタンが現れるように設定いたしました。
期限も明日に延長いたしましたので、お手数ですが、
ご確認いただき、ご購入手続きをしていただけますでしょうか?」
即、購入。無事に終了。
日本の国内線の方も、ロンドンの方も、
お二人ともとても丁寧、迅速にご対応くださいました。
その対応になんら不満はありません。
問題は、システムです。
システム・しくみに顧客満足を損なう要因があり、
それを、スタッフの方の対応でカバーしている典型的な事例です。
ここで考えたいのは、
リピーターである私のCS(顧客満足)を下げている、ということではなく、
その対応をしてくださったスタッフの方のほうです。
お二人の口調から、
どうやらこれは初めてのケースではなかったことが感じ取れました。
つまり、システム上、そういう不都合があることはわかっていて、
それに対してどう対応するかも、手順がある。
それに従って、丁寧な対応をしてくださった、ということです。
そういった業務をしているとき、
このお二人のES(社員満足)に悪影響があると考えるのは自然ですよね。
不都合があるとわかっていて、自分の権限では変えられないことを、
お客様にお詫びするのは、自分。
しくみ・システムの不都合を人がカバーし続けていれば、
人は、疲弊してしまいます。
CSとESは、表裏一体、
やりがいを持って働いているスタッフはCSを高める、
とはよく言います。
だからこそ、社員のモチベーションを上げるために何をするか?、
様々な施策をおこなっている会社も多いことでしょう。
でも、逆もしかりですよね。
つまり、しくみを整えることが先というケース。
CSを高める仕組みの中で働くことができれば、
いい対応ができ、お客様から感謝され、
結果ESも高まり、好循環。
自社の現状を考えるきっかけにしていただければ幸いです。
この記事へのコメントはありません。