1. HOME
  2. ブログ
  3. ハイコンテクスト対ローコンテクスト

ハイコンテクスト対ローコンテクスト

異文化コミュニケーションにおいて重要なコンセプトの一つ、
ハイコンテクスト High Context、ローコンテクスト Low Context。
お聞きになったことがある用語でしょうか?

コンテクストというのは、文脈や背景のことを指します。
コミュニケーションの観点では、言葉以外の手段での意思疎通ということになります。
ということは、ハイコンテクストというのは、言葉で表現されない部分の
割合がHigh=多い、ということですので、日本語でよく言う、
文脈から判断、状況を察する、空気を読む、行間を読む、あうんの呼吸、
というようなことをイメージしていただくとわかりやすいと思います。

それに対して、ローコンテクストは、
言葉にされていることを重視するコミュニケーションのスタイルです。
相手が文脈を読むことを期待するのではなく、
お互いがわかりやすい言葉にして伝えあおう、理解しあおうというものです。

過去の経緯、文化的背景、価値観、共有している情報などが多ければ多いほど、
ハイコンテクストのコミュニケーションが成立しえます。
ですが、そういった基盤が少なければ、
言葉にして表現することで誤解をなくすことが必要なのです。

日本語はハイコンテクストな言語ですし、
日本では、ハイコンテクストなコミュニケーションの方が上位のような印象を持つ方も
多いと推察できますが、
広く世界の文化を見ると必ずしもそうではありません。

最近感じるのは、
日本の中でも、以前のようなハイコンテクストのコミュニケーションに頼っていては
意思疎通がうまくいかない場面が増えているのではないか、ということです。

よく耳にするのが、世代の違い。
上司と部下、先輩と後輩のコミュニケーションにおいて、
価値観、受けてきた教育、その世代の常識、ものの考え方などが異なっている。

となると・・・
共有している情報が少ないということになり、
コミュニケーションのスタイルをお互いがローコンテクストにしないと、
理解しあえない部分が大きくなる、ということになります。

積極性を持って行動してほしい
常に改善、改革を意識した提案を期待する
もっと戦略的に動こう
XXの社員としてふさわしい行動
XXブランドの名にふさわしい行動

・・・これらはとてもハイコンテクストな表現です。
誰かに期待を伝えるとき、こういった表現をローコンテクストに変えてみてください。
具体的にどんな言動を期待しているのか、
逆にどんな言動は外れいてると思うのか、を言葉にするのです。

ハイコンテクストなコミュニケーションで伝わらない相手に対して、
わかってない・・・ などと嘆く前に、
お互いのコミュニケーションをローコンテクストにすることで解決できるこがたくさんあるはず。

それはどちらが上位とか、洗練されたスタイルかということではなく、
違いを受け入れて、お互いがうまくやっていくためのコミュニケーションのスキルなのです。
ダイバーシティ、ですね。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事

Features ~主なご支援内容~

2011年11月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

最新の記事

月を選択