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研修内製化についての考察

最近、研修内製化のご相談を受けることが多くなってきました。

これまで、研修会社など、社外から講師を読んで研修を行ってきたけれども、社内講師に切り替えようということで、研修の作成(デザイン)や、社内講師の方の講師スキルの向上のお手伝いをしたりしています。

内製化を成功させるには、いくつかポイントがありますが、以下3つにまとめてみました。ご参考になれば幸いです。

  1. 1.内製化に踏み切るかどうかの判断

内製化がいいのか、外注がいいのか、判断のポイントはいろいろありますが、ここでは2つご紹介します。

まず、内製化しようと思っているテーマについて、「この人なら説得力がある」と思われる方が社内に存在するかどうかです。自社の専門分野についての研修で、その道のプロ、専門家、ノウハウも経験もある方がいらっしゃる場合は、内製化しやすいでしょう。ですが、例えばインターパーソナルスキル、リーダーシップなどの研修を想定している場合、「この人から学びたい」と思われる方は存在するでしょうか。いらっしゃれば、その方に社内講師として登壇いただくと良いのですが、「あなたに言われても・・・」という反応が予想されるような選択は避けた方が良いでしょう。

ただ、現時点ですぐに適任者がいないからと言って断念するのではなく、将来的にどうしたいかを見据えて判断したいものです。つまりこれは、見方を変えると、そのテーマに関して社内にノウハウを蓄積し、継承していきたいかどうか、なのです。「一般的な知見」を社外講師から学ぶのが良いのか、それとも自社ならではの内容にし、社内の人材が講師を務めることで、企業文化を醸成する一環としていきたいのか、という視点で判断すると良いでしょう。

二つ目は費用対効果です。研修を内製化するための初期費用、社内講師育成のための費用や時間を投資し、それを回収できる見込みがあるでしょうか。極端な例として、年に1回しか開催しないような研修を内製化する場合、初期投資を回収するのに何年かかるでしょうか?そのころにはニーズも変化していて、回収できないまま終わる、などということは避けたいものです。

  1. 2.研修を「内製化」するということ

研修を内製化するには、当たり前のことですが、「研修プログラム」が必要で、それを社内で作成するには、コンテンツと、デザインの両方が必要です。コンテンツというのは教える内容、デザインはインストラクショナルデザイン、研修設計です。

研修コンテンツとして教えていきたいノウハウは社内にありますか?自社の専門分野についての研修で、その道のプロもいてノウハウもある場合は、内製化しやすいでしょう。ですが、コンテンツやノウハウが社内にない場合は、それをどこかから入手するのか、あるいは購入するのか、などから検討しなくてはなりません。

例えば、リーダーシップ研修を内製化で行いたい場合、「リーダーは、〇〇をしましょう」「リーダーシップを発揮するための3つのポイント」など研修として教えるからには、その内容が必要なわけです。社内に「わが社のリーダーシップはこうあるべき」と、蓄積されているものがあれば、それを研修として体系化し、デザインしていけばいいのですが、そこまでのものが存在しない場合、どうやってそれを作成するのか、あるいは外部から入手するのかの検討が必要です。社内講師に一任すると、社内講師となる方の「持論」を展開されるリスクもあり、あまり賢明ではありません。

外部から入手というのは、例えば、研修会社から「使用権」を購入する、などの方法が考えられますが、著作権にも配慮して慎重な検討が必要です。

コンテンツが確保できたら、次はそれを研修としてデザインすることがポイントです。ただ「説明」すればいいわけではありません。参加者が理解し、習得し、持ち帰って実践することを促す大人の学習を、学びの理論に基づいてしっかりと設計する必要があります。その設計をだれがどう行うかの見極めもポイントです。これについても、社内講師に丸投げするのではなく、研修デザインを行う知識・スキルを持った人材開発担当者が行ったり、弊社のような外部機関に設計を依頼したりする選択肢もあります。

  1. 3.社内講師のスキル向上

教える人には、研修をデザインし、デリバリーとファシリテーションを行うことが求められます。研修のデザインについては、実際に登壇する講師ではなく、先述の通り、人材開発担当者など別の人が行ったり、人材開発担当者と社内講師とのコラボレーションで行うケースも少なくありません。

いずれにしても、社内講師の方には、しっかりと設計された研修についてのデリバリーとファシリテーションを担ってもらいましょう。ある分野に長けているから社内講師の役割を担っていただくわけですが、その分野に長けていることと、それを教えることができる、というのは別のスキルです。「教える」というスキルについて、学んでいただく機会をきちんと提供することが、社内講師としての成功のサポートをします。

デザインを講師以外の人が行う場合、デザインの意図をしっかりと共有しておくことも大切です。研修中に行うディスカッションやアクティビティは、ただ単に「盛り上げる」ために行うわけではなく、目的や意図があります。それをしっかりと理解した上でデリバリーとファシリテーションを行うことで、デザインが活かされるでしょう。

弊社では、研修内製化のご支援として、研修内製化全般に関するコンサルティング、研修デザインについてのコンサルティングや、研修デザインそのものを請け負うこと、また社内講師のスキルアップのお手伝いをしております。

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