戻るのではなく、次のステージへ
コロナ禍により急速に浸透したオンライン研修。対面が再開される・できる状況になってはいますが、この3年間、私たちが経験したことは、「なかったこと」には決してなりません。対面の研修が再開できても、以前と同じ研修を再開すればいいわけではなく、ブレンディッドラーニングへと進化させる時期だというのは、このブログでも何度か取り上げさせていただいている通りです。
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企業の人材開発ご担当の方、社内講師の方々とお話すると、皆様口々におっしゃるのが、研修参加者から「これ対面で行う必要ありますか?」「オンラインでいいのでは?」という声が、決して少なくない、ということです。対面ができなかった期間、オンラインでなんとかなった経験をした今、移動にかかる時間やコスト、気楽さや自由度を考えると、オンラインで十分なのではないかという意見なのです。
対面には対面の良さがあります。対面だからこそできること、生み出せる価値はもちろんあります。それが大きいと、上記のような声は大きくならないはずなのですが、残念ながらその価値があまり実感できない対面だと、その声が大きくなるのは当然のことです。
では、対面だからこそできること、生み出せる価値とは何でしょうか?それは、講師と参加者との関わり、参加者同士の関わりが創造する学習経験です。講師から参加者への情報提供であれば、オンラインでも、オンデマンドでも十分です。
買い物や旅行を考えてみてください。オンラインでも買い物はできます。映像を見ること、しかもそれをVRなどテクノロジーを使ったりして臨場感のある状態で見ることができたら、その場所に行った気分には十分なれるでしょう。ですが、そうしたオンライン経験と、リアルの経験はまったく同じではありません。だからやはりお店で買い物をしたり、旅行に出かけたりするのではないでしょうか。
研修でも、そうした「経験」を創り出せているでしょうか。知識習得やスキル練習はオンデマンド、個別学習で行い、対面の研修では対面だからこその価値があることに集中するーーーそうした経験をデザインし、ファシリテーションを行うことが今、そしてこれからの講師に必要なスキルではないでしょうか。
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