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仕事の目的

人がモチベーション高く仕事をするために必要なことの一つに、「目的が明確であること」があります。自分の仕事が、社会やお客様にどう貢献しているのか、会社のビジョンや戦略にどう結びついているのか、この仕事で自分はどう成長するのか、自分自身の人生においてどんな意味を持つのか・・・ そうしたことがクリアーで、意義を感じることができることが大切です。

そうでない仕事は、単なる「作業」や「義務」であり、やらされ感いっぱいで「こなす」ことになるでしょう。

ダニエル・ピンク氏も、「モチベーション3.0」(講談社 2010年)の中で、人のモチベーションを高める3つの要素として、「自律性」「マスタリー(熟達)」「目的」の3つを挙げています。

「カフェの開業」という、これまで全く想像すらしていなかったことを始めようと思えたのは、この「仕事の目的」が私の中で見えたことも大きな要因の一つです。

少し背景を記します。

昔からお付き合いのある仲間・友人には、私は「料理しない人」と認識されていました。実際、以前は外食のとても多い生活をしていました。言い訳としては、出張が多いため食材を使いきれない、研修で1日立っていた日の帰宅途中、パソコンの入った重いバッグを持っているときにキャベツやにんじんを買って帰るのは無理、さらに、疲れて帰宅した後に料理をするなんて無理、という感じです。

ですので、2016年に犬の食事を手作りし始めた際、驚いた人も少なくありませんでした。「中村さん、包丁持ってたの?」「え?しかも、わんこ用?」・・・。犬の食事を作るようになると、残った食材を消費する必要が生じ、結果として、人間も家で食べることが多くなりました。そして2020年からのコロナ禍で、自宅での食事はすっかり定着しました。

とはいえ、お料理が好き!と思うようになったわけではありませんし、上手いわけでも得意なわけでもないと自覚しています。

そんな私が、なぜカフェを開業しようと思えたのか?それがこの記事のテーマである「仕事の目的」です。このシリーズの初回「背景:「導かれて」カフェを開業」に記した通り、MACOA cafeのコンセプトは、「~犬と人間が一緒に過ごせるソーシャルクラブ~」で、目的は、「犬と人間のQOL向上のための場所、サービスおよび商品を提供する。」です。

私は、そういう場を創造したい!と強く思ったのです。そして、そうした「場」には、飲食は不可欠だと思います。人が集い、わんことの時間を楽しむにあたり、飲み物や食べ物は必須です。つまり、飲食を提供することが目的なのではなく、前述の目的を達成するための一つの手段、ツールとして飲食が必要という位置づけになります。

ちなみ沖縄には、「テラス席はペット可」のお店は少なくありません。テラスというと良い響きですが、「外」です。暑い夏の長い沖縄、しかも突然の雨が降る日も少なくなくありません。エアコンの効いた、雨の心配のいらない快適な空間で、わんこ・お友だちとの時間を楽しんだり、お買い物したり、いろんな講座に参加したりしていただきたい。そういう場を提供したい。ーーそれが私の「仕事の目的」となりました。

目的が明確になったことで、どちらかと言うとそれまで避けていたことに着手した経験は、2020年にもありました。オンライン研修がそれです。ある日突然、対面集合研修ができない状況になり、すべてをオンラインに移行しなければいけなくなったあの日・・・。

アメリカでは10年以上前からオンラインで研修を行うことが定着していて、ボブ・パイク・グループでも、オンラインで研修を行うだけではなく、オンライン研修のノウハウを蓄積し、効果的なオンライン研修を行うための研修を提供していました。私はそれを知ってはいましたが、正直、全然興味がありませんでした。対面の研修の方が効果的で楽しいと信じていましたし、オンラインは次世代の人がすれば良いくらいに考えていたのです。

ところが2020年、日本でも状況は一変しました。まず私自身がオンラインで研修を行う必要に迫られたのは言うまでもありません。ボブ・パイク・グループ始め、アメリカのベストプラクティスを急ピッチで学びました。ですが、その後すぐに、講師の皆様が混乱し、とても困っている様子が見えてきたのです。ZOOMその他、不慣れなツールを使わなくてはいけないというテクニカルな面に留まらず、どうすれば参加者の反応を引き出せるのか、飽きない研修をオンラインでどう行えばよいのか、ノウハウがなく、とにかく困っている様子でした。

その時、「この状況を打破するためには、アメリカでは蓄積されているノウハウと、ベストプラクティスを日本の講師の皆様に提供することは、私に与えられたミッションなのでは?」とさえ、思いました。それは、「オンラインで研修を行う」仕事の目的が大きく変化した瞬間でした。そしてその後2年間くらいは、「オンラインで研修を効果的にする」という目的にただひたすら集中した期間になりました。

カフェの話に戻ります。やる、と決めたものの、そんな私が、お客様(人間)への飲食の提供をどうすれば良いのでしょう・・。そんな私ではありますが、強力な味方がいました。前述のマーケティングの専門家のMIさんです。MIさんは、ホテルやレストランのマーケティングに携わる仕事を長くしていらっしゃいますが、個人的には以前からタイ・バンコクが大好きで、タイ料理も大好きでした。それが高じてバンコクに本格的な料理留学(プロの料理人を育成するル・コルドン・ブルーへの留学)をし、優秀な成績で卒業し、帰国後、富山でタイ料理のお店を始められました。そんなMIさんに、飲食の面でも大変お世話になりました。MACOA cafeのコンセプトに合い、かつ、ワンオペでもできるカフェメニューを考案していただき、運営面でもご指導いただきました。私がそれを学んだプロセスについては、また別途記したいと思います。

仕事の目的を明確にすること。そして、その目的が、仕事を担当する本人の内的動機となること。それがうまくかみ合っていて初めて、研修やOJTでの学びが活きてくるのではないでしょうか。

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