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オンライン研修:講師の都合ではなくて参加者のメリットは?

オンライン研修の日々が続いています。皆さんもそうかと思いますので、しばらくオンライン研修についてのブログを続けたいと思います。

参加者主体の研修手法を開発したボブ・パイク氏の言葉で、とても好きな言葉があります。

It’s not about you. It’s about them.

という言葉です。これは何を意味するかと言いますと、you=あなた、つまり講師です。そして、them=彼ら、つまり参加者を指します。

「大切なのは、あなた(講師)にとって良いかどうか、ではなく、彼ら(彼ら)にとって良いかどうか、です。」
という意味の言葉です。これは、参加者主体の研修手法・理論の根底にあるとても大切な考え方です。

前回、「オンライン研修での参加者主体」というブログで、参加者側のビデオ(カメラ)オンを強要しない、ということを書きました。そことも大きく通じます。

例えば、「オンラインでは参加者の反応がわかりにくい」という課題があります。その解決策として、講師が「わかりましたか?」「ここまではよろしいですか?」と問いかけたら、参加者が「わかったというジェスチャー」「頷く」などのリアクションをすることをルールにしているという話を聞くことがあります。これは、参加者の学びにとって何かプラスになりますか?講師の安心感にはつながるかもしれませんが、参加者側のメリットはあるでしょうか?リアクションが見えて安心する、という講師側の都合が優先されているように思えて仕方ありません。

「大切なのは、あなた(講師)にとって良いかどうか、ではなく、彼ら(彼ら)にとって良いかどうか、です。」

「理解を確認して、自信をつける」「記憶への定着をサポートする」という参加者側にメリットがあることを行うのであれば、理解確認クイズを用意しておいて答えてもらってはいかがでしょう。それも誰かを指名するのではなく、オンライン上ですので、画面にクイズを出し、スタンプやチャットを活用して全員に答えてもらうと、全員を巻き込むことも可能です。

全員が一人ずつ自己紹介する、というのはどうでしょうか?参加者がお互いを知ることができて、チームビルディングになっているように思うかもしれません。でもはたしてそうでしょうか?全員の前で、しかもオンラインでカメラに映る自分を見ながら全員に向けて自己紹介をするのが好きだ、という参加者はどれくらいいるでしょうか?おそらく大半の方があまり心地よくはなく、自分の番が回ってくるまでは、何を話すかを一生懸命考えていて、他の人の話は上の空の方が多いのではないでしょうか。講師にとっては、一人一人の情報が聞けるのはメリットが大きいですが。

直接対話できるリアルの対面研修であっても、同じ考えで、オープニングでの一人一人の全員の前での自己紹介は行いません。1対1など安全・安心な環境で自己紹介をし、徐々にその相手や人数を増やしていくことで、心理的に安全な場づくりを行います。

「大切なのは、あなた(講師)にとって良いかどうか、ではなく、彼ら(彼ら)にとって良いかどうか、です。」
この原則にのっとって、研修で行っていること一つ一つをぜひ検証なさってみてはいかがでしょうか。

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